2018年,  ヨーロッパ遠征,  日本茶を世界へ

抹茶セミナー in ハーグ(オランダ)ITC三日目|日本茶普及海外ツアー・欧州遠征2018

この日は、オランダ・ハーグにあるお茶とコーヒーの学校・ITCでの日本茶セミナー三日目。

三日目のこの日は、抹茶ワークショップをさせて頂きました。

この日も6時間かけて抹茶についてじっくりと話させて頂きました。

午前中は、抹茶の歴史、生産地、現状、品種と育成方法、製茶の工程などをお話しさせて頂き、抹茶のテイスティングも行いました。

テイスティングは、

・お点前用グレードの抹茶4種類
(ごこう、うじひかり、おくみどり、さみどり)
・収穫期別(春・夏・秋)
・挽き方の違い(石臼とボールミル)
・オーガニックと慣行農法

を飲み比べました。

また午後からは、茶道の歴史とお道具の説明、お点前披露、そして最後に参加者の方々に抹茶を自分で点てて頂きました。

6時間あるので、これまでできなかったお点前用の抹茶4種類の飲み比べやてん茶とてん骨(てん茶の茎)と抹茶を見比べたり、抹茶の指ざわりを確かめたりする事ができました。

抹茶は、一番人気のある日本茶だけあって、かなり色々な質問が出ました。

中でも「抹茶の定義」についての質問は、皆さんの関心の的だったようです。

中国産や他国産の抹茶やクロレラなどが混ざった”抹茶”を日本ではほとんど見ることはありません。

でもヨーロッパではよく見かけます。

逆に日本産と書かれていない場合は、他国産である可能性が高いくらいです。

今回の参加者の皆さんはもちろん「抹茶は日本のモノ」という事を知っています。

それだけに他国産の茶葉で品質が低いと思われる”抹茶”を見るたびに「これは本物なのか?」という疑問を抱きつつも、本物のための「抹茶の定義」はあるのか?という問題に行き着くようです。

ちなみに日本茶業中央会による抹茶の定義は、「覆下栽培した茶葉をもまずに乾燥した茶葉(てん茶)を茶臼でひいて微粉状に製造したもの」というものですが、その抹茶の定義を26年ぶりに見直している最中です。

このような内容は、日本国内の茶業者の中では話題になっていますが、海外の消費者には全く知られていないのが実情です。

また、抹茶の原料であるてん茶の生産量と抹茶の流通量を比較すると、現在流通している抹茶の量は、てん茶の3倍とのデータもあります。

そしてこの6年で抹茶の売上は3倍に増えています。

ヨーロッパ6都市を回っていて、抹茶の人気はまだ伸びていく勢いを感じます。

「抹茶の定義」の行方はまだわかりませんが、今も今後も日本産の抹茶だけでは、世界の抹茶需要に応えられないのは間違いありません。

というような話をオランダですることになるとは想像していませんでしたが、参加者の皆さんはとても興味深く聞いて下さりました。

そのような濃ゆい18時間の後、簡単ですが修了証を皆さんにお渡しさせていただきました。

この日の参加者の皆さんがこれからヨーロッパを始めとした世界で日本茶の普及に加わってくれると思うと、心強いです。

三日間18時間に渡り、多大なる協力をして下さったITCのスタッフの皆さん(この日はカロライン)、お手伝いしてくれた、祥子さん・リセッテ・淑子さん、そして参加者の皆さん、本当にありがとうございました。

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松本 靖治
シングルオリジンの荒茶(あらちゃ)の魅力、そして喜多をはじめ茶産地・和束に生き、茶に命をかける人々の情熱に感激し、おぶぶの立ち上げより参画。

まだ世界に知られていない、日本茶の魅力を世界に伝えるべく、文字どおり世界じゅうを駆けめぐる多忙な日々を送る。

おぶぶの伝道師。日本茶インストラクター第7期。1974年、奈良出身。
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