2018年,  企業理念,  日本茶を世界へ

国際日本茶協会オープニングイベント in マドリッド|日本茶普及海外ツアー・欧州遠征2018

国際日本茶協会設立イベント in マドリッド

この日は、今回の日本茶海外普及ツアーのメインイベントである国際日本茶協会の設立イベントでした。

昨年11月の本ツアーにて、単に日本から日本茶を持って回るのではなく、現地にいる人たちが中心となって日本茶を楽しんでもらえるタイミングが来ていることを悟り、国際日本茶協会を立ち上げる事にしました。

この協会の主な目的は、日本茶を楽しんでもらうにあたり、三つの課題があるので、それをお茶好きのみんなで乗り越えてゆこうというものです。

三つの課題とは、

一つ目はヨーロッパでは中々に品質の良い日本茶が手に入らないことです。

スーパーマーケットでは基本的にティーバッグのお茶しか手に入りません。(最近、ティーポットで淹れる茶葉(ルースリーフティー)も若干増えてきましたが)

そこでもグリーンティーは手に入りますが、日本産はほぼなく、しかもグリーンティーwithシトラス(色は一応緑っぼい)やグリーンティーwithラズベリー(もはや緑色でもない)といったフレーバーティーがほとんどです。

そしてお茶の専門店の場合でも日本茶の専門店は、パリとハーグとロンドンで一軒ずつあるくらいで、普通は世界中のお茶を扱っています。

そういった”普通の”お茶専門店の場合、ドイツのお茶輸入会社を経由して流通していることが多いです。

その場合、お茶の仕入れはカタログから選ぶ事が多く、そのカタログには、アフリカ、インド、スリランカ、中国などで生産された数百種類のお茶と並んで、(だいたい最後の方で)日本茶が数種類紹介されています。

しかも日本茶は他国のお茶に比べると基本的に高いため、価格をなるだけ合わせるために基本的に品質の低めのお茶が紹介されています。(それでも他国のお茶に比べると高いのが実情です。)

しかもお茶の専門店であっても通常、茶葉は店の壁一面に置かれている大きな缶に入れて保存され、中々にハードな保存状態であるため、売れる頃には酸化していることが普通です。

それが今も昔もヨーロッパの実情であるため、日本で手に入るようなお茶を見つけるのは中々に難しいのです。

そして二つ目が、日本茶の淹れ方です。

ヨーロッパでは通常ティーバッグに入っているのが、お茶(基本的に紅茶)です。

ティーバッグの箱には、お茶の淹れ方の説明がありますが、だいたい100℃で3〜5分間、抽出するように書かれています。

ですので日本茶も同じような抽出方法で淹れるため、基本的にめちゃくちゃ苦いと思ってはります。

また抹茶についても、アイスクリームやチョコレート、抹茶ラテなどを食べた事があっても、実際の抹茶を飲んだ事がある人は少ないです。

たとえ抹茶を飲んだ事があっても、ヨーロッパでは中国やタイなど他国産の抹茶も流通しているので、苦い経験をされている事がよくあります。

抹茶をアイスやチョコやラテなどのフレーバーとして食べた事があってもそれがなんなのか?よく分からない、そして緑茶はカラダにいいらしいけど、どういいのか?なんでいいのか?はよく分からないというのが一般的です。

そして三つ目の課題が「言語」です。

イギリス、ドイツ、オランダでは、英語がほぼ通じますが、イタリア、スペイン、フランスなどでは、基本的に通じません。

もちろんドイツやオランダでも母国語があるので、味や香りなどは特に母国語でないと伝わらない部分も多いです。

実際オランダ、ドイツでは通訳なしで全て英語でお話ししましたが、ニュアンスが通じない場合は、参加者の皆さんが母国語で伝えあうという光景が多々あります。

この3つの課題を乗り越えない限り、いくら日本茶を広めたくても、広めることは難しいのが実情です。

しかしこの3つ(良い茶葉、専門知識、言語)を全て持っている人はほぼおらず、ましてや今回の6ヶ国語全てを話せる人にはまだお目にかかった事がありません。

つまり実際には、茶葉を供給できて、知識もあり、数カ国語操れるなんて人はいないわけで、みんなで協力するのが一番いい!という、当然の結論にゆきつきます。

だいぶん長くなってしまいましたが、「その三つの課題を協力して解決しよう!」という集まりが、国際日本茶協会なのです。

国際日本茶協会は、日本茶を世界に広めてゆく草の根運動のような活動ですので、ささやかにアットホームな雰囲気の中で設立イベントも開催されました。

ただ集まってくださった皆さん一人一人は、お茶好きの人ばかりで、カナリア諸島(マドリッドから1,000キロ以上離れている南の島)から、この日の為に来てくださった方もおられました。

そして、この日お出ししたお茶は、

ほうじ茶(深炒り)
静岡の煎茶(在来種)
玄米茶
鹿児島の深蒸し煎茶(知覧)
玉露「天の雫」
抹茶「おくみどり」

でした。

ついに国際日本茶協会が始まりました。

いつがその始まりなのか?については、その定義が難しいところですが、この日、2018年9月13日、マドリッドにて、国際日本茶協会としての初めてのイベントを行った事は確かです。

この日が大切な日になるかどうかは、これからの自分たちの活動にかかっています。

ぜひとも大切な日になるように全力を尽くしてゆきたいです。

そして今お読みのあなたともいつかこの活動の中で出会えることを楽しみにしています!

ここまでこぎつけるまでにたくさん準備してくれたアンナ、そしてシモナ、集まってくださった皆様、本当にありがとうございました。

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この記事を書いたおぶぶメンバー-Author Profile

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松本 靖治
シングルオリジンの荒茶(あらちゃ)の魅力、そして喜多をはじめ茶産地・和束に生き、茶に命をかける人々の情熱に感激し、おぶぶの立ち上げより参画。

まだ世界に知られていない、日本茶の魅力を世界に伝えるべく、文字どおり世界じゅうを駆けめぐる多忙な日々を送る。

おぶぶの伝道師。日本茶インストラクター第7期。1974年、奈良出身。
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