この日は、CASA ASIA及び国際交流基金の協力の下、日本政府観光局マドリード事務所とJETROの共催するセミナーにて、日本茶の魅力とティーツーリズム(茶畑観光)について、お話しさせていただきました。
今年2018年は、日本とスペインの外交関係樹立150周年ということで、今年スペインでは様々な日本の食や文化に関連した行事が行われています。
そして今回のセミナーは、伝統・文化・暮らしに触れる』というテーマの連続セミナー(全四回)の一環として開催されました。
この日のセミナーは、三部構成となっており、
第1部 ティーツーリズム(茶畑観光)
第2部 日本茶の魅力
第3部 抹茶お点前のデモンストレーション
という、かなり濃い内容でした。
自分たちが主に担当させて頂いたのは、第一部と第二部。
第三部は、マドリッドで日本文化の普及をされている貴志さまが中心となり、行ってくださいました。
第一部と第二部は、通訳として貴志創さんがついてくれたので、いつもはシモナがプレゼンするところを、この日は松本が日本語にてお話しさせていただきました。
貴志さんは、在スペイン日本国大使館でも同時通訳をされていた経験もおありで、自分としてはかつて経験した事がないほどにスムースなプレゼンとなりました。
今までの僕の経験では、海外で通訳付でプレゼンする場合、どうしても間延びしてしまい、中々、会場で聴いてくださっている方との一体感を作り出すのが難しく、いつも残念な思いをして来ました。
しかしこの日は違っていました。
貴志さんの通訳は、僕が長く話せば長く、短い時は短く、また話し終わったらすぐに通訳を開始してくれるので、テンポがいいんです。
日本語で話すのと変わらないくらいのリズム感で進められるので、第一部、第二部それぞれ1時間半近くになったのですが、それでも一体感を作りながら、盛り上がって話す事が出来ました。
正直、こんな事は初めての体験でした。
(やはりプロは違う!ということでしょうか?)
どれだけお茶をはじめとする日本文化に興味を持ってくれていても、間延びした話を一時間以上聴き続けられる人を見た事がありません。
特に通訳付の場合、間延びするのは必然で(同じことを伝えるのに少なくとも2倍の時間がかかりますので。)、毎回悔しい思いをして来たのですが、この日は違いました。
このような通訳をするためには、スペイン語と日本語が話せるだけでなく、二つの文化に精通しているからこそ、なし得ることなのだろうなぁと思いました。
今後、スペインで国際日本茶協会を盛り上げてゆく中で、貴志さんのようなスペインと日本の両方の文化に精通している人がいると非常に心強いです。
そして第三部では、通訳の貴志さんのお母様が主人(あるじ)として解説してくださり、お点前は中森さんがなさってくださいました。
(ちなみに中森さんの旦那さんも、日本政府観光局マドリード事務所にお勤めされており、マドリード事務所の皆さんは家族ぐるみで日本文化の普及に努めてくださっています。)
この第三部・抹茶お点前のデモンストレーションは、本日のメインイベントであり、また正客としてシモナも登場したこともあってか、やはり一番盛り上がましたね。
この日集まってくださった方の中には、旅行会社を経営していたり、そこでお仕事してらっしゃる方も多かったようです。
またもちろん日本茶好きの方もおられ、するどい質問がどんどん出たこともあり、予定よりも30分以上オーバーしてしまいました。
しかし最後には、拍手が鳴り止まないほど皆さん喜んでくださったようで、安心しました。
これは通訳の貴志さんの力によるところも大きかったようで、実際、この後の懇親会でも、「通訳さんがラジオのDJのように的確でスムースで聞きやすい声で良かった!」という声を何人もの方がおっしゃっていました。
ヨーロッパを回っているといつも思うのですが、スペインやイタリアなどの南欧の人たちは、気さくで質問も多く、冗談も大好きでしかも大きな声でよく笑うという傾向があるのが面白いです。しゃべっている身としては、反応が大きいと助かります。
今回、50名以上の日本茶や日本文化にとても興味のある方々が集まってくださり、ここからまた新たに生まれることがありそうで、ワクワクします!
今回のセミナーを企画してくださった日本政府観光局マドリード事務所・所長の井上さん、そして素晴らしい通訳をしてくださった貴志さん、茶道のデモンストレーションを行ってくださった貴志さんのお母様、中森さん、お手伝いで大活躍してくれたアンナ、ペドロさん、そしてそして集まってくださった皆様、本当にありがとうございました。
スペイン・マドリッドでは、これから国際日本茶協会スペイン支部が立ち上がり、またご一緒させて頂ける機会もこれから増えると思います。
今後ともよろしくお願いします!
本当にありがとうございました!!
この記事を書いたおぶぶメンバー-Author Profile
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シングルオリジンの荒茶(あらちゃ)の魅力、そして喜多をはじめ茶産地・和束に生き、茶に命をかける人々の情熱に感激し、おぶぶの立ち上げより参画。
まだ世界に知られていない、日本茶の魅力を世界に伝えるべく、文字どおり世界じゅうを駆けめぐる多忙な日々を送る。
おぶぶの伝道師。日本茶インストラクター第7期。1974年、奈良出身。
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