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緑茶の健康効果 part1

みなさん、こんにちは!おぶぶインターン生のルーデスです(#131)!

おぶぶで素晴らしい、冒険のような毎日を楽しんでいます。よろしくお願いします!

(※元の記事は2022年6月におぶぶの国際版(英語)HPにアップされています。

元の記事(英語・スペイン語)はこちらから。▶https://obubutea.com/the-health-benefits-of-green-tea-part-1-3-english-spanish/

以降の※は訳者注)

この記事を読んでいるということは、みなさん、お茶好きですね?

お茶と言えば、私は静寂と平穏を連想します。

お茶はどんなシチュエーションでも淹れることができます。たとえば長い一日の仕事を終えて帰ってきた時。友人と近況を語り合っている時。あるいは、大変な一日を過ごしている人のために淹れてあげるということもあるかもしれませんね。

わたしは、お茶のそのような感情的・社会的な側面に魅力を感じますし、日本の緑茶が持つ身体的な健康への影響/効果にも関心があります。では、果たしてその2つの間には繋がりがあるのでしょうか。そしてなぜ、緑茶の成分は私たちの身体にそのような影響を与えうるのでしょうか。この全3本のブログの中で、お茶の身体的そして精神的な側面について書いていきたいと思います。

が…少々科学的で「オタク」な内容になるので、みなさん心の準備をしてくださいね!

こんにちは、ティーちゃんです!次回たくさん登場するよ!

日本茶の成分

お茶のことを知るにあたって、お茶に含まれている成分について理解しておく必要があります。

緑茶の成分は品種や、地理的要因、お茶の生長段階、栽培方法、気候的要因、そして葉の年数によって異なります。

緑茶の成分(乾燥茶葉の場合)

Chacko SM et al.3, Tang et al.6 and ITO EN4 から独自に統合したデータ

カテキン

緑茶に含まれるポリフェノールのほとんどはフラボノールというものです。そしてさらにそのフラボノールの一種としてカテキンがあります。この水溶性のポリフェノール、すなわちカテキンは、抗酸化物質としてのはたらきに寄与しており、また緑茶に渋みと苦みをもたらしています。収穫直後の茶葉を蒸す工程によって、葉のカテキン含有量は高く維持されます。

カテキンもさまざまな種類があるのですが、緑茶に含まれる主なカテキンは、エピカテキン(EC)、エピカテキンガレート(ECG)、エピガロカテキン(EGC)、エピガロカテキンガレート(EGCG)の4つで、4つ目のエピガロカテキンガレート(EGCG)の割合が最も大きいです。これらの緑茶カテキンの健康効果については非常に多くの研究の中で言及されているところです。

テアニン

テアニンとは、カメリアシネンシスという植物(お茶も植物学的にはカメリアシネンシスに分類されます)がもつアミノ酸の一種で、同じアミノ酸の一種であるグルタミン酸と化学構造が似たものです。ちなみに神経伝達物質であるGABA※2はグルタミン酸から作られます。テアニンがグルタミン受容体に結びつくことで化学反応が連鎖的に起こり、それが、快感をもたらすホルモンであるセロトニンとドーパミンの値を上昇させます。

また、テアニンは脳の海馬※3におけるシナプスのはたらきを促進するため、認知機能の向上にも繋がります。言い換えれば、脳の海馬は学習、感情、そして記憶形成をコントロールしているところで、テアニンはそれを刺激するというわけです。すごいアミノ酸ですよね?

被覆栽培(覆い下栽培)のお茶※4は、ずっと太陽光を受けて育てられる露地栽培のお茶よりも多くのテアニンを含んでいます。

※2 チョコレートの製品名でおなじみかもしれませんね。

※3 脳内の神経が集まっている部分です。

※4 かぶせ茶や玉露など

カフェイン

「コーヒーなしでは生きられない!」という方、 “I need my caffeine fix.”※5という表現を聞いたことがあればカフェインの特性はきっとご存知ですね!

カフェインは世界でもっとも摂取されている精神活性成分です。この成分は、中枢神経系を刺激するアルカロイドの一種であるメチルキサンチンというもので、精神的敏しょう性と思考処理のはたらきを高めます。

一方でカフェインには心拍数と不安感を高めるはたらきもありますから、摂りすぎには気を付けてくださいね!

カフェイン摂取の安全な量は一日あたり400mg(妊娠中の場合は200mg)とされており、緑茶一杯分はというと平均で16.28mgです。お茶はテアニン成分がカフェインの刺激的効果を抑制してくれますから、お茶マニアの人はラッキーですね。

※5 カフェインを欲している時の一杯のコーヒーを “caffeine fix (カフェイン フィックス)”と表現し、「コーヒーを飲まなきゃ」という意味で “I need my caffeine fix.”と言うことがあるようです。

ビタミン、ミネラル、その他のわずかに含まれる元素

お茶の葉は収穫の後、高温で蒸されます。これにより、ポリフェノールの酸化酵素が不活性化され、お茶に含まれる多くのビタミンやミネラルが保護されます。そのうちいくつかの成分は非水溶性であるため、摂取の方法 (飲む OR 食べる) によってどれくらい成分を取ることが出来るのかは変わります。

緑茶はビタミンA、B1、B2、B6、B12、C、Dに加えカリウム(K)、カルシウム(Ca)、リン(P)、マグネシウム(Mg)、そして少量のマンガン(Mn)、亜鉛(Zn)、銅(Cu)を含んでいます。

糖質と脂質

緑茶はセルロースやグルコース、フルクトース、スクロースそして少量のリノール酸とα-リノレン酸を含んでいます。

色素

茶葉には、クロロフィルⅡなど色素を壊す酵素が含まれますが、日本茶においては葉を蒸す工程でその色素をは壊してします酵素を破壊することによって、揉む工程・乾燥させる工程においてもその特徴的な緑色が保たれます。

サポニン

サポニンはすべてのお茶に含まれ、その名前※6はその石鹸のような特性から来ています。抹茶の泡立ちも、この成分によるものです。

※6 「サポ」はラテン語で石鹸を意味します。

今回はこれで以上です!

小さな葉についてこれほどたくさんのものが詰まっているなんてすごいですよね。

次回は日本茶の、私たちの身体への効果についてお話ししようと思います。

(参考文献は投稿末尾にあります。)

緑茶の健康効果について

PART 2を読む

PART 3を読む

参考文献

  1. Musial, C., Kuban-Jankowska, A., & Gorska-Ponikowska, M. (2020). Beneficial Properties of Green Tea Catechins. International Journal of Molecular Sciences21(5), 1744. https://doi.org/10.3390/ijms21051744
  2. Kochman, J., Jakubczyk, K., Antoniewicz, J., Mruk, H., & Janda, K. (2020). Health Benefits and Chemical Composition of Matcha Green Tea: A Review. Molecules26(1), 85. https://doi.org/10.3390/molecules26010085
  3. Chacko, S. M., Thambi, P. T., Kuttan, R., & Nishigaki, I. (2010). Beneficial effects of green tea: a literature review. Chinese medicine5, 13. https://doi.org/10.1186/1749-8546-5-13
  4. Major components and health benefits of Green Tea. ITOEN ©ITO EN, All Rights Reserved. (n.d.). Retrieved June 2, 2022, from https://www.itoen-global.com/allabout_greentea/components_benefit.html
  5. Wang, L., Brennan, M., Li, S., Zhao, H., Lange, K. W., & Brennan, C. (2022). How does the tea L-theanine buffer stress and anxiety. Food Science and Human Wellness11(3), 467–475. https://doi.org/10.1016/j.fshw.2021.12.004
  6. Tang, G. Y., Meng, X., Gan, R. Y., Zhao, C. N., Liu, Q., Feng, Y. B., Li, S., Wei, X. L., Atanasov, A. G., Corke, H., & Li, H. B. (2019). Health Functions and Related Molecular Mechanisms of Tea Components: An Update Review. International journal of molecular sciences20(24), 6196. https://doi.org/10.3390/ijms20246196
  7. Higashiyama, A., Htay, H. H., Ozeki, M., Juneja, L. R., & Kapoor, M. P. (2011). Effects of l-theanine on attention and reaction time response. Journal of Functional Foods3(3), 171–178. https://doi.org/10.1016/j.jff.2011.03.009
  8. Caffeine: Benefits, Risks and Effects-A Review. (2020). Indian Journal of Public Health Research & Development. https://doi.org/10.37506/ijphrd.v11i3.1161
  9. Bisogno, V., & Pettigrew, J. (2021). Manual del Sommelier de Té: Variedades, cata y protocolo del Té (Spanish Edition). El Club del Té Libros.
  10. Ratnani, S., & Malik, S. (2022). Therapeutic Properties of Green Tea: A Review. Journal of Multidisciplinary Applied Natural Science2(2), 90-102. https://doi.org/10.47352/jmans.2774-3047.117
  11. Prasanth, M., Sivamaruthi, B., Chaiyasut, C., & Tencomnao, T. (2019). A Review of the Role of Green Tea (Camellia sinensis) in Antiphotoaging, Stress Resistance, Neuroprotection, and Autophagy. Nutrients11(2), 474. https://doi.org/10.3390/nu11020474
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